あらすじ

 

幼い頃にピアノコンサートで聴いた音色が忘れられず、

ピアニストを目指して音楽大学を受験した主人公・桜水 奏。

しかし合格発表の日、掲示板にその番号はなかった。

 

「私もう、音楽なんてやめる…！」

 

音楽を捨てようとさえ考えた失意の主人公は、

見知らぬ世界へタイムスリップしてしまう。

歩き慣れない石畳の街並み、

往来を走る馬車、ドレス姿の貴婦人達…

 

――そう、そこは1832年のパリ。

 

主人公は時間も距離も飛び越えて来てしまったのだ。

皮肉にも、音楽が溢れる芸術の都へと。

 

右も左も分からないこの街で彼女は

才能あふれる若き青年達と出逢う。

 

彼らは誰もがその名を知る大音楽家達の若き日の姿。

 

『ピアノの詩人』フレデリック・ショパン。

『鍵盤の魔術師』フランツ・リスト。

『神に愛された天才』フェリックス・メンデルスゾーン。

『ロマン派の申し子』ロベルト・シューマン。

『先駆者』エクトル・ベルリオーズ。

 

栄光や苦悩の中でそれぞれに音楽を愛する彼らの姿に、

主人公は何を想うのか。

ありえないはずだった奇跡の邂逅は、

彼女に、そして彼らに、どんな変化をもたらすのか。

 

――あなたは誰と、どんな音楽を奏でますか？

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